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OUR STORY
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リネンのヒート・テクノロジー。 Vlas Blommeの秋冬定番インナー。

2008年からVlas Blommeが独自開発しているウィンターリネン。リネン素材の持つ温度調節機能を活かしたカットソーや、職人の高い技術によって保温性を高めた起毛リネンなど。秋冬定番インナーで寒い季節も快適に。

春夏はさらりと心地よく、秋冬はほっこり暖かい。また、表面を柔らかく起毛させたリネンは、触ると誰もが「これがリネン?」と驚くような柔らかさ。2008年からVlas Blommeが独自開発している秋冬の定番リネンは、温度調節をしてくれる自然のヒート・テクノロジーを活かして、快適にウィンターシーズンを過ごせるアイテムを作っています。

リネンを身にまとう贅沢さを
カットソー素材で知る。

〜KL Plain〜

初めて訪れたベルギーで、Vlas Blommeのスタッフたちが驚いたのが、「裸でリネンのベッドシーツで眠ると暖かいんだよ」という言葉でした。リネンの糸は中が空洞となった中空糸で多孔質。吸水性と速乾性に優れ、さらには熱量を保つ機能も備えています。つまり、今巷で冬のインナーとして出回っているスポーツ素材の原点は、リネンにあったというわけです。

リネンのシーツで眠るように、より肌に近い場所で、リネンを身につけたい。そんな願いとともに生まれたのが、リネンのカットソーです。リネンというとゴワゴワしたイメージがありますが、最上級のコルトレイクリネンは、驚くほどの柔らかさ。しかも、何度も洗濯し、使い込むごとにどんどん肌に心地よく変わっていきます。そんなリネン素材を使ったのがこの2アイテム。

ボートネックプルオーバーは、首回りが空きすぎず、お尻が隠れる丈なので安心感があります。身幅があり、ストンと着れば着やせ効果も。ハカマパンツは、文字通り日本の袴の形からデザインされたもの。タックをとっているので、履いた時の窮屈感がなく、一度、その着心地のよさを知ったら手放せなくなるほど。どちらもラクなのに、一枚でさらりと着てもいいし、ワンピースの下に合わせたり、たっぷり目のペチパンツとしても。どちらも気持ちがいいので、つい今日もと選んでしまう一枚。本当のリネンの着心地のよさは、肌が教えてくれそうです。

春夏はさらりと心地よく、
秋冬はほっこり暖かい。

Vlas Blommeが2年という歳月をかけてやっと実現したのが、リネンのカットソーでした。リネンはテンションが高く伸びない上に、糸が強いので、機械で編むとたちまち針が折れてしまいます。工場ではスチームをかけ、湿度を上げることでリネンを柔らかくして糸を紡いでいます。でも、機械に水分は大敵です。試行錯誤の中、工場主の職人魂に火がつき、独自の方法で糸が切れないシステムを考え出しました。さらに、近代的な機械では高速すぎるので、ゆっくり回る機械を開発。こうして、やっとリネン100%のカットソー、KL Plainを量産できるようになったのです。

今では、Vlas Blommeのスタッフはほとんどが、何度も洗ってトロンと柔らかくなったリネンカットソーをインナーに愛用しています。春夏はさらりと心地よく、秋冬はほっこり暖かい。一年を通してリネンを着る、という感度の高いおしゃれは、機能的な裏付けがあってこそなのです。

保温性をより高めるために、
リネンの表面を起毛させる。

〜KL Heritage Warm〜

Vlas Blommeが独自に開発した秋冬リネンKL Heritage Warm。リネンコートの裏地として使用する際に、生地表面に起毛を施し、保温性を高めたのがはじまりです。開発当時、ベルギーのリネン紡績会社社長から「リネンは暖かいんだよ」という話を聞いて、長年使われたベッドシーツを触らせてもらうと、驚くほど柔らかく、優しかった……。それは、洗えば洗うほどリネンの表面にケバができるから。これに想を得て生まれたのが、リネン生地の表面を意図的に毛羽立たせるという起毛リネンでした。

表面を柔らかく起毛させたリネンは、触ると誰もが「これがリネン?」と驚くような柔らかさ。この生地感を活かして作ったワンピースは美しいドレープが出て、リネン独特の縦のシワが体をほっそりと見せてくれます。リネンなら、ウールとは一味違う糸の光沢感があって、上品に着こなすことができます。

リネンを着る面白さは、着こなしに、その人のライフスタイルそのものが立ち現れること。パターンやシルエットに頼るより、リネンとしての素材そのものを身にまとってほしい。そんなVlas Blommeのアイテムはどれも着る人に託すことで、スタイルが完成します。

ふんわりと優しい肌触りは
最高級のリネンだから生まれる。

サロペットは、大人が着るには難しいアイテムですが、ハイネックやシャツ、カットソーを合わせてもカジュアルになりすぎないのもいいところ。これを着る人の部屋はきっとこんな感じだろうな……。服の向こう側に、暮らしや生き方までが透けて見える。「リネンを選ぶ」ということは、そういうことなのかもしれません。

Vlas Blommeが使うのは、リネンの中でも世界的に高い評価を受けているコルトレイクリネンです。フランス国境に近いベルギーの小さな町、コルトレイクは、16世紀からリネン産業の中心地として栄えてきました。ベルギー北部のフランダース地方で栽培される良質なリネンは、現在もコルトレイクから世界に届けられています。リネンの原料はフラックスという植物です。ぶどうの品種によってワインの味が違うように、リネンも、栄養分やミネラルが豊富な土地で、栽培に適した気候で育てられたフラックスによって、より質のいいリネン糸になるというわけです。

この最高級のコルトレイクリネンで織った生地の表面を、あえて掻いて毛羽立たせたのがKL Heritage Warm。「えっ、これがリネン?」と誰もが驚くほど柔らかい毛羽は、上質なリネン糸だからこそ生まれるもの。糸の中から繊細な繊維を職人の高い技術で掻き出す……。それが、ふんわりと暖かい起毛リネンです。

起毛させたカットソーで
しなやかなシルエットを。

〜KL Warm〜

「とろみ」という生地の感覚は、Vlas Blommeのウィンターリネンの特徴です。ヨーロッパでは、生まれたての赤ん坊をよく洗ったリネンで包むのだといいます。天然繊維の中で、もっとも細かく裂けていくのがリネンです。細かく裂ければ裂けるほど、肌に優しく柔らかくなっていきます。だから、何度も水を通したリネンは、繊維と繊維の間に空気を孕み暖かく感じるのです。

その昔、フランネルなどのケバだった素材は、アザミの実を機械に入れて回し、その棘で生地の上を引っかくようにして作ったそうです。それに倣って生地を起毛させ、ハイゲージニットのような肌触りの優しく暖かいウィンターリネンに仕上げました。

職人の高い技術が、
ウィンターリネンを支えている。

チュニックは、お尻まですっぽり隠れるラクな形ですが、背中にギャザーを寄せた女性らしいフォルム。イージーパンツはしなやかな素材感で、すっきりと着こなせます。とろりと溶けるような着心地と、自然な落ち感で生まれる美しいシルエットは、まさに「自然の恵み」というデザインです。

ブランドを立ち上げてワンシーズンが巡った頃、今度は秋冬用にと、このカットソーの表面に起毛をかけたのがKL Warmです。起毛をかけすぎて生地を傷めないためには、程よく調整する職人の高い技術が必要でした。なめらかなネル素材のように柔らかく、肌触りの良いウィンターリネンは、旅先で出会ったあのベルギーの日常につながっているのです。

(TEXT:NORIKO ICHIDA、EDIT:HITOSHI MATSUO、PHOTO:KOZUE HANADA)