緻密で美しいモザイクタイルから
インスピレーションを受けて。
Written by
Satoshi Ishii|Linen Evangelist
日本では貴重になったリネンを織ることのできるジャカード織機を使ったスペシャル生地が誕生しました。
幾何学的で繊細な柄を凹凸が特徴の“ジャカード織り”で表現した新作『Zellige(ゼリージュ)』。このVlas Blommeオリジナルの呼称は、イスラム建築で古代から続く緻密で美しいモザイクタイルにある繊細な模様の装飾を「ゼリージュ」と呼ぶことから名付けました。
今回の生地はまさにそのモザイク柄によくある連続するひし形の模様を再現すべく、古い機種のジャカード織機を使用して織りました。ジャカードとは、生地を織る段階で模様を作りながら織っていく生地の種類です。
リネンの糸自体は伸縮性がないため、ジャカード織機で100%リネンを織ることは至難の業と言えます。複雑な機械の動きになるので糸が切れやすく、切れたらつなぎ合わせることを繰り返すため、通常の何倍も手間がかかります。糸にテンションをかけないように調整して細心の注意を払いながら完成にいたりました。
実際に織る段階では、手順を計算したパンチカード(写真右)になぞって機械を動かして柄を組んでいきます。
規則的に複雑な柄を表現した幾何学模様は職人泣かせですが、その甲斐あって、コルトレイクリネンの細番手糸を使用した生地は完成度が高く、独特の雰囲気を生み出すことができました。
完成した生地は、リネンならではの張りコシを生かした味のある風合いです。また、ジャカード織りならではの、立体的な柄が生地表面に浮かび上がります。フラットなプリント柄にはない、凹凸のある手触りを楽しむことができます。
モザイクタイルから感じるリズム。
夏のスタイルに取り込んで。
以前モロッコのマラケシュを訪れた時に、多種多様の細かな柄で埋め尽くされた壁や床一面に広がるモザイクタイルに衝撃を受けました。
あまりに細かく正確に並べられたタイルの柄。その連続したタイルが続く空間に入ると、何かこのモザイクにはリズムがあるというか心に響く強い刺激を受けたことを覚えています。
ゼリージュのデザインは、リズミカルに反復して無限に広がっていくことから目に見えるサウンド(音楽)と呼ばれていると聞いたことがあります。
ぜひこの夏の特別な1枚として、モザイク柄のようにリズミカルな日常をお楽しみいただけると幸いです。
◊ ◊ ◊ “Zellige” ITEMS ◊ ◊ ◊
夏の主役は、上品さを感じる
贅沢なジャカード生地ワンピース。
Zellige ノースリーブワンピース
1枚でも重ね着でも便利なノースリーブワンピース。贅沢なロング丈ですが、両サイドの裾スリットで足さばきもよく軽快です。また、開きすぎない衿ぐりなど、ディテールにも品が漂います。
キレイなシルエットを活かして、真夏にはそのままノースリーブで軽やかに。カジュアルにTシャツを合わせたり、秋には羽織物をプラスしたりと、イメージチェンジも多様です。
Tシャツ感覚で気軽に楽しめる
暑い時期にもピッタリなブラウス。
Zellige ボートネックプルオーバー
ゆとりのあるドロップショルダーでリラックス感のあるブラウス。ボートネックのネックラインには、インナーが見えないようにサイドにマチを付けました。
同生地のスカートとのコーディネートは、ワンピースのようなきちんと感のあるセットアップスタイルに。また、ゆったりとしたTシャツ感覚で、イージーなパンツと合わせるのもおすすめです。
スタイリングしやすいスカートは
柄を活かしたシンプルデザイン。
Zellige ギャザースカート
スカートは、生地の柄を活かし極力シンプルなデザインにしています。裏地も付いているので透けの心配もありませんし、夏を超えて秋にも着ていただきやすい1着です。
夏の必需品Tシャツとのワンツーコーデでも、凹凸感のあるスカートでリズムがうまれます。他にもワンピースやチュニックの中に入れて、裾からのぞかせても素敵です。
こちらでご紹介した『Zellige』シリーズは、以下のリンクからご購入いただけます。
https://vlasblomme.jp/item/70719.html
https://vlasblomme.jp/item/70720.html