ヴラスブラムのデニムのはじまり。
リネン100%のデニム開発秘話。
ヴラスブラムをスタートする時から、リネン100%のデニムタイプの生地を開発する事は目標の一つでした。そして、最初にリネンデニムの生地が完成したのが2008年。それは、今から12年前で、まだリネンのデニムタイプが今のように広く認知されていない頃でした。
「デニムはコットン100%だけど、リネン100%のデニムは見たことないな。リネンは強度があって耐久性が高い繊維なので、きっと良い生地になるはず!」。最初はそんな安易な発想でした。
試行錯誤ののちに完成した、
初代『KL Denim』の生地。
しかし、リネン100%で生地を織ること、それ自体がそんなに簡単なことではなかったのです。リネン特有のフシや糸の不均一さによる糸切れ。職人さんからはコットンをブレンドしたリネンコットンに変えるよう何度もご指導を受けました。しかし100%を譲ることができず、いくつかの機織り機で試したのちに、旧式のゆっくりと織る機織り機に辿り着きました。そして何度か失敗を繰り返した後に、他にない生地感を完成させることができました。デニムと同じ織り方で織った生地ですが、コットンとはひと味違う生地ができたのです。織りあがりはデニム特有のかたさがありますが、洗いとタンブラー乾燥でリネンのコシをしっかりほぐした後はコットンと全く違うタッチに仕上がりました。これが、コルトレイクリネン100%の初代『KL Denim』の生地です。リネンならではのしなやかさと柔らかさと軽さ、肌になじむ素材感。何かを発明したかのような感動を覚えたのを今も思い出します。
さらなる軽さと丈夫さを求めて。
2代目『KL Denim』が遂に完成!
今回、新たに発売した2代目は、より軽く更に丈夫な生地を完成することを目指しました。初代に比べてやや細い糸をタテヨコに使用して、織り組織は同様のツイル(綾織り)で張り感がでる生地の密度に設計しました。ヴィンテージのワーク系ウエアーにあるような軽量でいて高い強度、リネンの特徴を十分感じられる完成度の高い生地です。
目指したのは、季節を問わず装うことができるワードローブの中のマイ・フェイバリット(一番の愛用アイテム)となる一着、または、飽きることのないデイリーなスタンダードアイテム。そして、育てる楽しみ、いつまでも手放せない、着れば着るほど、洗えば洗うほど自分に馴染むアイテムとして成長が楽しいこと。コットンのデニムとまた違ったリネン100%ならではの、そしてまたコルトレイクリネンの魅力を感じて欲しい、そんな思いが詰まったデニムです。
“深海のブルー”をイメージしたタテ糸。
ヴラスブラムのオリジナルネイビーブルー。
通常コットンのインディゴデニムはタテ糸にインディゴ染め中白糸を使い、ヨコ糸はやや細い晒した生成り糸を使用しますが、2代目『KL Denim』は、タテヨコ同じ番手の糸で共に中白糸を使用しました。中白糸は、糸の中心まで染まりきらず糸の外側と糸の芯の部分で色の差異がでる特殊な染め方が特徴です。ヴラスブラムの中白染めネイビーはもちろんオリジナルカラーで、タテ糸は“深海のブルー”をイメージしています。ヨコ糸はネイビーの色目を少しライトに抑えてタテヨコで色の濃淡を出しています。
濃淡のある色違いのネイビーが、タテヨコに綾織りで交差して織りなす生地表面の微妙な色変化が、生地の立体感とオリジナルなテクスチャーを生み出します。
1日に織れる長さは約1m。
ゆっくりしっかり丁寧に織る。
初代のリネンデニムと同様に、今では稼働する台数に限りがあるシャトル織機を使用しました。高速織機が一日で数百メーター織ることができるところ、シャトル織機では一日におよそ1メーターを織ることが精一杯。ゆっくりしっかり丁寧に織ることで、糸の太さがイレギュラーなリネン糸が織りなす、味のある生地表面のムラ感を表現できるのです。
大人カジュアルなデニムには、
セルビッチにもこだわりを。
デニム生地でセルビッチと言われる生地の耳ですが、ヴラスブラムでは、オフ白の耳にダークネイビーに相性の良いチョコレートブラウン(オリジナルカラー)のタテ糸を採用しました。有りそうでない、大人カジュアルな生地の耳にヴラスブラムのこだわりを感じていただけます。
ほどよいリラックス感も。
着心地を追究したブルゾン。
KL Denim ブルゾン
ブルゾンの袖は細すぎず太すぎず、腕がすっと通るわずかにゆとりのある幅で、アームにゆとりを持たせました。フィット感というよりもリラックス感のあるシルエット。着用時にデニム生地のしっかり感がある一方で、軽さを感じることができる仕様にしました。
左ポケットにVB刺繍。ボタンはいつものオリジナルで、前立てに5つあるボタンのうち上から4つ目にVlas Blommeのロゴ入りボタンを使用しました。
縫製にもこだわり、内側にくる裏糸には裏の生地色に合わせたネイビーの糸を使用して、内側が見えた時もカジュアルになりすぎない仕様です。Tシャツの上にさらっと羽織ったり、コートのインナーとして合わせることもできるので、一年を通じて多くの季節を共に過ごせる優れものアイテムです。
ジェンダーレスに着用できる、
こだわりジャンパーエプロン。
KL Denim ジャンパーエプロン
ジャンパーエプロンは、「これ、ずっと着て洗って着て洗って育てていったらヴィンテージとして価値が出ちゃうだろうなー」というのは自画自賛ですが(笑)、オリジナリティー抜群のアイテムです。前身頃はスッキリとしたシルエット。後ろ身頃は腰回りにしっかりゆとりをとることで着る人によってそれぞれ違うドレープが生まれます。また、横から見たシルエットは立体的でVBらしいクリエイティブなディティールデザインになっています。
ポケットは大きめですがワークになりすぎないようにエプロンとスカートを上手に組み合わせ、個性的でドレッシーなイメージに仕上げました。また、エプロンなのに女性っぽくならず、男性もジェンダーレスに着ることができます。普段使いでも、または趣味やお仕事などのワークシーンでも使っていただけそうな素敵な逸品に仕上がりました。
穿き心地抜群、2種類のパンツ。
ファイブポケット&サルエルの魅力。
KL Denim 5PKパンツ
定番のファイブポケットパンツは、程よいゆとりのあるストレートシルエットです。一度穿いたら手放せないアイテム。裾をロールアップして、生地の耳を見せてもコーディネートのアクセントになってくれます。
KL Denim サルエルパンツ
もう一つは個性のあるサルエルパンツ。こちらも穿けば穿くほど馴染んで、穿く人の個性が際立つアイテムになっています。ヒップ周りもゆったりとして、ラクチンです。ソックスとの組み合わせを楽しんだり、足首をみせて軽やかに穿いたり、さりげないこだわりでおしゃれの幅が広がります。
ファイブポケットパンツもサルエルパンツも、一年を通してスタンダードアイテムとして穿くことができるアイテムです。
3ピースセットで実現する、
スマートなバリスタスタイル。
そして、絶対におすすめしたいのが、「ブルゾン+ジャンパーエプロン+5ポケットパンツ」の3ピースセット。ジェンダーレスに着て欲しいコーディネートです。
デニムの上下を着用する個性的な演出に、さらにジャンパーエプロンを加えたオリジナリティーとクリエイティビティ―あふれる3ピース。ぜひ挑戦してください。私の勝手な想像ですが、バリスタの方に着ていただけると嬉しいです。きっと存在感のある装いで美味しいカフェを淹れていただけるのではないでしょうか!? カフェのユニフォームとして良いかもしれません。